公害で空が曇っていたのは昔のことと思いがちですが、最近はPM2.5や黄砂など大気汚染のニュースをよく耳にします。
その中でも光化学スモックは特に聞きますよね。
身近な問題としてよく学校などでも問題になり、発生中は体育などの野外での授業が中止になったりします。
夏場などの暑い時期によく発生しているような気がしますが、実態について詳しく知って知る人も少ないでしょう。
ということで、今回は大気汚染でも特に有名な光化学スモックについて詳しく説明します。
目次
スモッグって何?
スモッグとはsmoke(煙、スモーク)とfog(霧、フォッグ)を組み合わせてできた言葉です。
注意したいのはスモッグは物の名前ではなくて状態を表す言葉だということ。
「大気中に汚染物質が浮遊しているため視界が悪いこと」を「スモッグ」といいます。
日本では1970年代に社会問題になりました。
スモッグの原因は?
大気汚染の原因は工場から発生する煙や、自動車の排気ガスが原因であることが多いです。
工場から煙が出て空を汚しているのを想像するとき白い煙か、黒い煙を想像すると思います。
この煙の色でスモッグの種類は大きく2つに分けられます。
日本で問題になったのは「白い煙」によるスモッグです。
この中に含まれている「光化学オキシダント」という有害な物質が特に我々の体に悪影響を与えます。
この光化学オキシダントは白い煙の中に含まれる物質が日光に浴たることで発生します。
光化学オキシダントが与える影響は?
光化学オキシダントが体の粘膜に触れると炎症を起こします。
そのため影響を受けやすいのは外にさらされている目と呼吸器です。
目がチカチカして痛くなり、ひどいときには頭まで痛くなってきたり、のども痛くなり咳が出てしまいます。
重症化すると呼吸困難、意識障害まで引き起こすので要注意です。
日本でも幸い死者はでなかったものの、1970年に東京の中高生43名が体育の授業中に光化学スモッグにより体調不良を訴えるという事件が起こりました。
このような症状が出たときはすぐに目を洗ったりうがいをするなどして体についた有害物質を洗い流し、空気のきれいな部屋でしばらく休息をとりましょう。
それでも具合が悪い場合は、迷わず病院を受診しましょう。
特に喘息がある方、アレルギーがある方は重症化する恐れがあるので要注意です。
どうやって予防するの?
なんといっても光化学オキシダントに触れないように予防するのが一番です。
まずは、光化学スモッグが発生しそうなときは屋外に出るのを控えましょう。
煙が光にあたることで発生するものなので風が弱く日光が強い時が一番発生するリスクが高いです。
また、化学反応が原因ですので反応がよく進む25℃以上の気温のときもリスクがあがります。
このような条件は5から9月にそろいやすいので注意しましょう。
また、気をつけてほしいのはマスクで防ぐことが難しいということ。
光化学オキシダントは目で見えないくらい小さく、マスクの隙間を通り抜けてしまいます。
光化学オキシダント対応の特殊なマスクも販売していますが、過信は禁物です。
車を運転してはいけないのはなぜ?
自動車学校で学んだと思いますが「光化学スモッグが発生しているときは車の運転を控えるように」と言われます。
この理由は二つあります。
一つ目は、光化学スモッグのせいで視界が悪くしかも目が痛くなる恐れのある中運転するのはあまりにも危険だということ。
もう一つは、スモッグの発生原因の中に車の排気ガスが含まれていることです。
光化学スモッグの害が拡大しないように必要の無い車の運転は避けましょう。
今回の記事で光化学スモッグの理解が深まったでしょうか。
最もみなさんに覚えて頂きたいことは光化学スモッグは決して昔の高度成長時代のものではないということ。
国の規制や工場の努力の結果大気汚染は大幅に改善されましたが、平成23年でも、光化学注意報が18都府県でのべ82日発生しており、被害届は69人分も出ています。
そしてその被害者の多くは小中学生です。
今回の記事で改めて興味を持っていただけると嬉しいです。
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