会人になると同い年の同僚やちょっと年の離れた先輩・後輩だけでなく、自分の父親や母親くらいの年齢の上司や、定年間近の大先輩たちとのお付き合いが始まります。
学生時代は許された言動も社会に出たら通用しなくなることが増えますよね。
仕事は遊びではないので周囲に気を配ったり責任ある行動を求められる場面も少しずつ多くなっていきます。
そんな中、お世話になった先輩や後輩が退職したり、転職したり…。
送別会などの飲み会とともに『贈る言葉』として色紙がまわってくることもよくあることと思います。
しかし学生時代の時ならともかく、同じ会社の一員として色紙を書けと言われるととまどう人も多いのではないでしょうか。
友達のように気軽に書くわけにはいかないし、かと言って「お世話になりました。これからもがんばってください」だけではちょっと物足りないですよね。
今回は社会人のための、寄せ書きの上手な書き方をご紹介してみようと思います。
その書き方で大丈夫?失敗しない言葉の選び方とは!?
寄せ書きで失敗しない最大のコツはそもそもなぜ寄せ書きを贈るかということをキチンと把握しておくべきです。
例えば、後輩が転職する時の寄せ書きに「お前は少しおっちょこちょいだから心配だ」とか、先輩に対して「先輩ならきっと大丈夫ですよ」なんて上から目線な言葉を書くのはどうでしょうか。
お互いに気心知れた仲の良い相手であれば問題ないかもしれません。
しかし、寄せ書きはみんなで書いて、相手に『贈るもの』です。
そう、みんなからのプレゼントになるわけです。
プレゼントは相手がイヤな気持ちになってしまっては意味をなしません。
しかも個人的なプレゼントではなく、『会社のみんなから』のプレゼントです。
ここまで言えば、もうお分かりですね。
相手がもらって嬉しい言葉を贈ることが、一番重要になってくるポイントです。
それには基本的に相手を褒める言葉を選ぶことです。
一番良い方法は具体的に相手の長所や仕事の上でがんばっていたことを評価するのが良いでしょう。
褒められて喜ばない人はいません。
なによりも相手が「ちゃんと自分を見てくれていたんだ」と思うことで、去る方にも残る方にも気持ちの良い門出になることでしょう。
寄せ書きにて使わないほうがいい言葉!
言葉の使い方に気をつけることが大切です。
会社で上司や先輩に頼まれたり、取引先の相手に提出する書類に敬語を使わない人なんていませんよね。
寄せ書きでも同じことが言えます。
自分の部下や親しかった同僚ならともかく、くだけ過ぎた言葉遣いはオススメできません。
無理にあらたまった言葉を使う必要はありません。
「~でございます」とか「~いたします」などと書く必要はありませんが、最低限「~です」「~ます」などの言葉遣いはこころがけましょう。
そしてこれはけっこう忘れられがちですが、相手が年齢を理由に退職する場合、使うのを避けたほうが良い言葉がいくつかあります。
例えば『もう若くないので~』とか『ご高齢ですから~』といった言葉は禁物です。
暗に「年寄りだ」と言っているようにも受け取れるからです。
あとは『老い』を感じさせる言葉も避けたほうが無難です。
これは『枯れる』『朽ちる』『折れ曲がる』『倒れる』などと言った言葉になります。
気をつかったつもりが裏目に出てしまった…、なんてことになると目も当てられません。
必要以上に言葉にこだわらず、当たり障りのない表現で感謝の気持ちを表しましょう。
締めの言葉はどうするべき?
そして、締めにはこれからの幸せを願う言葉を入れてみてください。
先ほども書きましたが、寄せ書きは贈り物です。
お世話になったことへの感謝の気持ちを表したものです。
転職にしろ退職にしろ、これからの未来に不安が全くない人はまずいません。
感謝の気持ちを込めて、この先の幸せを願ってもらえれば誰だって嬉しいものです。
あまり親しくない間柄の場合、どうやって幸せを願う言葉を探せば良いか頭を悩ませる人は多いと思いますが、普通に「これからのご活躍をお祈りいたします」くらいで充分です。
大切なのは、感謝の気持ちを気持ちの良い言葉で表現すること。
下手にウケを狙ったり、言葉に凝ったりしなくてもコツさえつかんでおけば大丈夫ですよ。
表現はシンプルに!寄せ書きの例文集!
では、ためしにいくつか例文をあげてみましょう。
何度も書きましたがポイントをつかんでおけば、難しい言葉や表現は不要です。
相手との距離感もあるので一概にこれでOK!とは言えませんが、あくまでも参考として活用してみてください。
(例)【親しい同僚の転職の場合】
転職おめでとう。念願だった業種に移れることになったと聞いた時は嬉しかった反面、同僚としてちょっぴりお前が羨ましかった。
でも、○○が毎日仕事や会社のマナーを必死に覚えながら、裏で自分のやりたいことに向かってがんばっていたんだということがわかった時、本気で○○のことが凄いと思った。
短い間だったけど、○○の同僚として出会えたことは自分にとって、とても大きな経験になったよ。
これからまた慣れない仕事で大変だと思うが、身体には気をつけてがんばれよ。
応援してるぞ。
(例)お世話になった先輩の転職の場合
○○先輩、転職おめでとうございます。入社した時から先輩にはたくさんのご迷惑とご心配をおかけしました。
右も左も分からず、ただオロオロしているだけの自分の姿を思い出すと先輩がどれほど自分に心を砕いていたか、今になって痛感しています。
半人前どころかひよっ子だった自分が、なんとか一人前として認めてもらえるようになったのは○○先輩のおかげです。
新しい職場で心機一転、がんばる先輩に負けないよう自分も精一杯がんばっていきたいと思っています。
あまり無理をなさらないよう、お体を大切にしてくださいね。
本当に、ありがとうございました。
(例)定年退職する上司の場合
定年退職おめでとうございます。長い間、本当にお疲れ様でした。○○部長には日頃からご指導いただき、感謝しております。
まだまだ教えていただきたいこと、学ばせていただきたいことがありましたが、これからは○○部長にご指導いただいたことを胸に、ますます精進していきたいと思っております。
これからはご自身のお体を何よりも大切になさってください。
○○部長の新しい門出を心よりお慶びいたします。
まとめ
いかがでしたか。
ビジネスマナーとして、会社で寄せ書きを書く機会もこれから先あるかと思いますが、
大切なのは『感謝の気持ちを、気持ちの良い言葉で表すこと』です。
寄せ書きは自分や相手だけでなく、上司や周囲の人間も目を通す可能性があるもの。
決して誤解を招いたりしないよう、言葉の雰囲気に流されず素直な気持ちで表現してみてください。
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