生きていればイライラしたり、不安な気持ちに包み込まれたりと情緒不安定になることが老若男女問わず誰にでもあります。
感情をうまくコントロールできないときの原因は、精神的なこと以外に身体面での不調にも隠されているんですよ。
今回はそんな情緒不安定の症状、原因、情緒不安定になったときの対策についてお話ししますね!
目次
情緒不安定の症状!
情緒不安定と漠然に言ってもその症状は様々です。
情緒不安定なときにはどんな症状があらわれるのでしょうか。
ここでは主に表れる10個の症状を挙げてみました。
また、症状を自覚できないときのチェックリストも紹介するので参考にしてみてくださいね。
①感情の起伏が激しい
最も出てきやすい症状です。
・ふとした瞬間にわけもなく涙が出る
・細なことでイライラしたりカッとなる
・気持ちが落ち込む
このように感情の変化が普段と比べて度を超えているような状態です。
②常に不安がつきまとう
何かをしようとしても不安がつきまとい、行動力や思考力が弱くなるような状態です。
取り越し苦労をしたり、他人の目を気にしすぎたりとやたらとクヨクヨしてしまい悩んでしまうのです。
③不眠
いわゆる眠れないという症状です。
単に眠れないと言っても、
・寝つきが悪い
・途中で何度も目が覚める
・眠りが浅い
というように充分に睡眠がとれない状態です。
④思考が散漫
集中力が低下してしまう症状です。
集中して考えることができず、何をするにしても能率が下がる状態です。
⑤肩こりなどの筋肉の張り
肩こりを中心に様々な筋肉が張ります。
肩こり以外にも頭痛や頭が重い、めまい、体がだるいなどの症状があらわれる人もいます。
⑥吐き気
脳が不安やストレスを感じ取ると、胃腸は問題なくても吐き気が起こることがあります。
場合によっては吐き気にとどまらず、嘔吐してしまうことも。
⑦疲れやすい
他の症状と繋がってくるのですが、不安感でいっぱいになったり、不眠だったり、頭が重かったりして普通に過ごすことがしんどくなり、疲れやすくなる状態です。
休んでも疲労感がとれないなどの症状もみられます。
⑧パニックになる
冷静でいられなくなり、どうすればいいのかわからずパニックになる人も多いようです。
妙に焦ったり、泣いてしまったり、急に怒り出したりします。
⑨メールや電話がないと不安になる
常に誰かと繋がっていないと不安になるのも情緒不安定のときの特徴です。
メールや電話の返事があったとしても、そっけない内容だったら不安になってしまうこともあります。
寂しさに耐えられないという感じでしょうか。
⑩優柔不断
集中して考えることができないうえ自分に自信がなくなるので、自分で判断することが難しくなってしまう状態です。
情緒不安定になると症状が自覚できず、判断が難しいことがあります。
そんな場合は、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
【情緒不安定チェックリスト(米国精神医学会 DSM−IV より)】
1.一日中気分が落ち込み、抑うつ状態
2.何にも興味が湧かず楽しめない
3.食欲がなく体重の増減がある
4.寝付けないか、夜中や早朝に目がさめる
5.動作や話し方が遅い、またはイライラしたり落ち着かない
6.疲れを感じやすく、気力が減退
7.自分には価値がない、または申し訳ないと思う
8.仕事や家事に集中したり、決断したりできない
9.この世から消えてしまいたいと思う
5つ以上当てはまり、なおかつ1か2にチェックが入り、それが2週間以上続いている場合は情緒不安定だといえます。
条件を満たしていなかったとしても、いくつかチェックが入ったならば、情緒不安定の予備軍であるかもしれません。
また、次のような状態の人も情緒不安定であることがあります。
・プレッシャーを感じやすい・警戒心が強い
・不平不満が多い
・劣等感や疎外感がある
・あれもこれもと混乱しがち
どの症状があらわれても、日常生活をするのはとても苦しくなります。
情緒不安定は心身のエネルギーを奪ってしまうのです。
情緒不安定になる原因!
情緒不安定になる原因は人や場合によって様々あります。
何かきっかけがある時や何の心当たりも無いのに突然不安感に陥る時もあります。
自分では気づかないことが原因になっていたりするんですよ。
他に女性特有のホルモンバランスの乱れで情緒不安定になることもあります。
ここでは代表的な7つの原因について説明しますね!
①長期間の持続的なストレス
人は大小様々なストレスを感じながら生きています。
ストレスというと悪いことから受けるように思われがちですが、実は良いこともストレスになるんです。
例えば、好きな人と付き合うことができた、結婚、子どもの誕生、就職、昇進、引っ越しなど、良いように思えることでも人は密かにストレスを感じているのです。
ストレスは環境の変化によって生じます。
人間は基本的に変化を嫌う生き物なので慣れれば問題ないのですが、なかなか慣れないとストレスをずっと感じ続けることになります。
持続的にストレスを受け続けると対抗物質であるノルアドレナリンが不足し、ストレス耐性が落ちてしまいます。
そうすると些細なことで落ち込んだり、イライラしたりするようになってしまうのです。
それだけでなく、ノルアドレナリンの不足は昼間の眠気や集中力の低下を引き起こします。
意欲も低下するため、挑戦する気持ちや向上心が無くなってしまいます。
②幼少期の家庭環境
誰しも子どもの頃は親に甘え、親に依存し、愛情を受けながら生活しています。
それが成長とともにだんだんと親への依存から離れ、だんだんと精神的に自立していくものです。
その自立には幼少期の頃の親の愛情が不可欠だと言われています。
しかし、何らかの理由で幼少期に親から十分に愛情を注がれることができなかった場合、自立する過程で問題が起こります。
その問題とは
・常に不安を感じる
・他者から支配されないと自分では何もできない
・何かの依存症になる
など様々あります。
それらは幼少期の愛情不足による心の傷が原因だといわれています。
親がアルコールやギャンブルの依存症であったり、暴力や暴言を振りかざしていたり、父母の仲が悪かったり、子どもに期待をかけ過ぎていたり、過干渉であったりと。
正当な愛情を受けられず、幼少期に心の傷を負ってしまい、それを持ち続けて大人になってしまった結果、情緒不安定を引き起こすのです。
③ホルモンバランスの乱れ
女性は月経や閉経、妊娠、出産、排卵、更年期などホルモンバランスが変わる機会が多いですが、そのバランスの乱れが原因で情緒不安定になりやすいといわれています。
女性ホルモンには自律神経を整え感情をコントロールする力があります。
しかし、月経などで女性バランスが変化する時にはその働きが低下してしまうのです。
するとイライラしやすくなったり、漠然とした不安感に苛まれたりしていまいます。
特に月経前に情緒不安定になる女性は多く、それは月経前症候群(PMS)といわれていますが、感情の起伏が激しくなるなどの症状があらわれます。
④糖分の摂取過多
甘いものを食べると急激に血糖値が上がります。
そしてその後血糖値が急激に下がると低血糖になり、イライラしやすくなったり、気分が落ち込みやすくなるなど精神的な不調があらわれます。
それを抑えるためにまた糖分の高いものが欲しくなり、食べると再び血糖値が急激な上昇と低下をし…という悪循環を生み出すのです。
実際に甘党な人ほど気分の起伏が激しいというデータもあります。
⑤夜型の生活
生活リズムが乱れ、夜更かしをしたり、睡眠不足の場合も情緒不安定になりやすいです。
まず、夜更かしをすると陽の光を浴びる時間が短くなります。
陽の光を浴びると幸せを感じるという物質セロトニンが生じますが、夜更かしをするとそれが作られなくなってしまい、気分の落ち込みなどを引き起こします。
そして睡眠不足になると脳の一部分との接続が弱くなり、感情のコントロールが難しくなり、短気になったり、涙もろくなったりと感情の起伏が激しくなってしまうのです。
⑥腸内環境の乱れ
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つの菌が存在しますが、その中の善玉菌が多いほど、セロトニンという物質が多く作られるそうです。
セロトニンは神経をリラックスさせる効果があります。
しかし、善玉菌が少なく悪玉菌が多い腸内環境では、セロトニンが十分に作られずストレスに弱い体質になるといわれています。
⑦無理なダイエット
上の腸内環境に関わってくることですが、極端なダイエットをし、栄養バランスが偏ると、腸の中の善玉菌が減少し、悪玉菌が増えてしまいます。
すると気分が落ち込んだりイライラしやすくなったりして、結果的にダイエットも続かず、さらにストレスを溜めてしまうことになります。
ダイエット自体は必要な場合もあるので悪いことではありませんが、間違った方法や無理なやり方では、情緒不安定を引き起こしてしまうのです。
情緒不安定なときの対策!
ではいよいよ、情緒不安的なときにできる対策についてご紹介します。
すぐに実行できるものもあれば、少し時間や準備が必要なこともありますが、どれも効果が認められているので、組み合わせたりしながら試してみてくださいね。
①水やお茶を飲む
冷たい水やお茶を飲んで腸を動かすと副交感神経が刺激され、神経過敏の状態を解消できるそうです。
血流がよくなり緊張も緩和されます。
また、緑茶などに含まれるテアニンは気持ちをリラックスさせる効果もあるので取り入れてみてください。
②ゆっくり深呼吸する
気持ちが張り詰めているときや焦っている時はゆっくりとした深呼吸をするのが有効です。
普段よりも大きく深く長く呼吸してください。
深呼吸の割合の目安は1の長さで吸って、その2倍の長さで吐く。
そうすると副交感神経の機能が回復し、緊張が解消できます。
私もイライラしたときに一旦立ち止まって深呼吸をしています。
そうすると本当に不思議と気持ちが落ち着くのでこれはおすすめです。
③食生活を整える
栄養バランスが偏ると情緒不安定になってしまうので、食生活を整え、血糖値や腸内環境を改善することが大切です。
血糖値の改善としては糖分を摂り過ぎないこと。
どうしても甘いものが食べたくなったら、果物や人工甘味料を使った食品をおすすめします。
これらは血糖値の急激な勾配は防げます。
ただ、これらもやはり食べすぎると体には良くないのでしっかりと噛んで適量を心がけてください。
甘いものが食べたくなったら、お茶を飲むと気がまぎれるという人もいるようですよ。
腸内環境の改善には食物繊維や乳酸菌を積極的に摂ることがおすすめです。
食物繊維は主に野菜に乳酸菌はヨーグルトに多く含まれています。
ダイエットをする場合も食生活を整えながら、日数をかけて行うのがいいでしょう。
先ほどから何度か出てきているセロトニンですが、実は食べ物を摂ることによって増やすこともできます。
『トリプトファン』が多く含まれている食材を摂取すると、セロトニンが増えるといわれているので、こちらも積極的に取り入れてみてくださいね。
トリプトファンが含まれる食材として
・肉や魚などの動物性たんぱく質
・炭水化物
・牛乳
・豆乳
・ナッツ類
・バナナ
これらに多く含まれています。
④運動をする
体を動かすと気持ちがリラックスするという効果があります。
運動して汗をかくとスッキリしたという経験をしたことがある人も多いと思います。
運動といっても激しいトレーニングである必要はなく、軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動でも充分です。
外に出られない場合は室内でストレッチやヨガのポーズをとるなどでもOKです。
運動はセロトニンの分泌や腸内環境改善、血流改善にも効果があります。
⑤書き出して心の中を整理
不安な時や悩みがある時に誰かに話を聞いてもらうと、スッキリしたという経験はありませんか?
的確なアドバイスをもらわなくても言葉にして吐き出すだけで不思議と頭と心の中が整理されます。
私も友人と互いに愚痴を言い合うことで気持ちをリフレッシュしています。
書くことでも同様の効果が期待できるんですよ。
怒りや不安、ストレスを感じたことを紙に書き出すと、悩んでいることが整理されストレスが軽減できます。
書くことで自然と解決策が思い浮かぶこともあるのでオススメです。
朝目覚めた時に心に浮かんでいることを書き出すことを日課にしている人もいます。
頭の整理をしてから1日を始めるというのもいいですね。
⑥ポジティブシンキングのトレーニング
ポジティブシンキングとは単に「何事も明るく前向きに捉えよう」ということではありません。
否定的な考えも肯定的な考えもどちらも大切です。
大事なのはそのバランスなのですが、情緒不安定になりやすい人は否定的な考えの方が多くなってしまうか、幻想のような間違ったポジティブシンキングをしているのです。
現実的にポジティブに捉える練習をしてみてください。
例えば、「嫌だな」と感じた時に「こんな考え方もできるぞ」と別の視点で見るというような感じです。
小さいことですがそれがストレス軽減につながります。
また、ポジティブシンキングとは少し違いますが、自分の考え方のクセを知るという認知行動療法もあります。
自分の考え方(認知)を客観的にみる方法で、様々な不安障害の治療に使われています。
⑦精神的リフレッシュの手段を持っておく
映画鑑賞、読書、掃除や模様替え、ゆっくりお風呂に浸かるなど、日頃から定期的にできるようなリフレッシュの手段をもっておくといいでしょう。
ストレスが溜まる前に吐き出せるので、ぜひいくつか持っておいて欲しいです。
私の場合はお金を使うこと自体がストレスになりやすいので、図書館に行ったり、散歩したり、スマホの待ち受けの設定を変えたり、というようなことで、気分転換をしています。
⑧カウンセリングを受ける
何をしてもスッキリしないときは専門家に頼ってください。
カウンセラーや医師は話を聞くプロですし、何より専門的知識もあるので自分では気づかなかった要因が見つかるかもしれません。
心療内科などの医療機関で適宜薬を処方してもらうなど、自分に合った克服の仕方を取り入れるのもいいですね。
まとめ
情緒不安定なときに大事なのは不安を消そう消そうと無理に思わないことです。
不安に自分の意識をフォーカスさせると、余計に不安になってますます不安なことを考えてしまいます。
「いつも通り仕事をする」など別のことに意識を向けることで不安感を忘れるようにしましょう。
焦らないことがポイントですよ。
また、日ごろから食生活を整えたり、睡眠のリズムを作ったり、定期的に運動を行ったりと情緒不安定になる原因を作らないよう予防することも大切だと思います。
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