拒食症といえばテレビ番組で特集が組まれるほど、現代において注目すべき病気です。
しかし若い世代の中には拒食症になりたいと考える、考えただけで顔をしかめたくなるような現実があるのです。
拒食症ダイエットなるものを実践して、生活に支障が出ている人もいるくらいなので見過ごすことはできないですね。
でも拒食症ダイエットは、一体身体にどんな影響を与えるのでしょうか?
そこで今回は拒食症になりたいという人に警鐘を鳴らす目的で、拒食症ダイエットがもたらす身体への影響についてご紹介していきます。
目次
拒食症とはどんな病気なの?
拒食症とは、その名前の通り食べることを拒否する心の病気です。
正式名称は「神経性無食欲症」といって自分の意思とは別で食べ物が体に入ることを拒否してしまい、食べても罪悪感で吐いてしまうのが特徴です。
極端なほどストイックにダイエットをしたり、周りにものすごい量の食事を与えて自分は食べずに太らせて自分を細く見せるなどの異常行動に出ることもあります。
もとは精神的なストレスが引き金になるので、多くの拒食症患者は自分が病気であるという自覚がありません。
そのため病気の診断や治療が遅れてしまう傾向にあり、治療を始める頃にはかなり拒食症が重くなっている状態なのが少なくありません。
場合によっては命の危機に晒されるほど、拒食症は怖い病気なのです。
拒食症になりたいダイエット信者が危ない!
拒食症はどうしてなってしまうのかというと、一番は10〜20代の多感な時期にダイエットにハマって「痩せなければいけない」という強迫観念に襲われることから始まります。
そして他人から見れば過剰なほどハードな運動をしたり、一切の食事を拒否してダイエットをしようとします。
ダイエットをしている自分が一番美しく見えて、体重が1グラムでも増えることを激しく拒否するのです。
食べることは生命維持に欠かせないことなのにもかかわらず、食べて体重が増えることに恐怖を感じてしまうのですね。
一切食べ物を受け付けなくなることもあれば、食べはするけれどすぐに吐くという過食型もあります。
思春期のダイエットはこうした拒食症になる可能性が高く、また成長期に体に十分な栄養が行き渡らないなどたくさんのリスクがあります。
拒食症は早い段階で対処をすれば防ぐことのできる病気なので、普段の食事量などを日頃から周りの人がチェックすることが大切なのです。
拒食症ダイエットがもたらす身体への影響5選
ダイエットというのは女性にとって永遠の課題のようにテレビなどでも持ち上げられ、自分も芸能人のようにスリムな体を手に入れたいという憧れもあって経験者は多いのではないでしょうか?
しかし中には自ら拒食症になりたいという願望を持ち、過度なダイエットをおこなう人も増えてきています。
これは大変危険な行為で、代償が大きすぎることなのです。
では、拒食症ダイエットがもたらす身体への影響を5つご紹介していきます。
①極端な低体重になる
拒食症になると「少し痩せたね」というレベルではなく、多くの人が二度見をするくらいの病的な痩せ方になります。
しかし厄介なのは、拒食症の本人はまだ自分のことを太っていると思い込んでいることです。
食事を全く取らなかったり、食べても全て吐いてしまうと栄養が吸収されずに体重がどんどん減っていきます。
症状がひどくなると、まさに骨と皮しかない状態になってしまうのです。
痩せ細ってしまうと元気もなくなり、骨がもろくなって骨折をしやすくなります。
本来ならここまで極端な低体重になる前に、対処をしなければならないのですが本人が病院に行きたがらないことが多いので実際診断が遅くなってしまうのです。
あまりに体重が軽すぎる場合には入院をして、一定の体重増加があるまでは医師の管理下に置かれることが多いです。
②生理が止まって妊娠しにくくなる
ごはんをまともに食べないことで、栄養が不足してホルモンの分泌がうまく働かなくなります。
すると毎月なくてはならない生理が止まってしまい、排卵がストップします。
生殖能力よりも、生命維持の方を体が優先させるんですね。
長い期間排卵がなくて生理が止まっていると子宮の働きが衰えて萎縮してしまい、将来的に妊娠するのが難しくなってしまいます。
毎月生理がくるのは健康のバロメーターなので、拒食症で生理が止まった時には早めに病院にいく必要があります。
これもまずは必要な栄養分を補ってから、生殖機能の回復を目指していきます。
③思考力が低下して判断力がなくなる
十分な栄養素が供給されなくなって痩せ細ってしまうと、脳にも栄養が行かなくなって働きが落ちてしまいます。
考えることができなくなって行動がおぼつかなくなったり、正常な判断能力が低下してしまうのです。
自分が異常なほど痩せているのに太っていると思い込んだり、病院に生かそうとする周囲の人と話ができなくなるのも脳の栄養不足が一因となっています。
最悪脳が萎縮してしまい、言語障害などが出るケースもあります。
私たちにとって栄養を摂るというのは、とても大切なことなんですね。
④味覚異常を引き起こす
拒食症で味覚障害が起こるのは食べ物への嫌悪感があるため、本来の美味しい味を理解することができなくなる心因性のものがあります。
また極度の栄養不足に陥っているので、味覚障害の原因と言われている亜鉛不足が深刻化してしまうのも原因のひとつです。
そして栄養不足から脳の機能が低下していた場合、舌から感じる味覚を司っている部分の働きが弱まってしまうことからも味覚障害が起こります。
食べ物を日常的に食べないでいると消化能力も低下するので、唾液腺からの唾液の分泌が減少していきます。
口の中が乾くと味覚を感じる部分を保護できなくなるので、味をあまり感じなくなってしまうのです。
味覚障害を引き起こすと余計に拒食症改善のために食事をとることが難しくなるので、味をうまく感じなくなったら医師に相談しましょう。
⑤貧血がひどくなって歩けなくなる
食べ物から取り入れる鉄分が足りなくなると、鉄欠乏性貧血を引き起こしてふらつきや頭痛などが起こりやすくなります。
顔色が悪くなって少し歩いただけで動悸がしたり、ひどくなると歩けなくなることもあります。
拒食症の患者の顔色が悪いのは、貧血によるものであることが多いです。
また脳貧血を起こしてしまうと、寝た状態から立ち上がるとふらつきを起こしたり失神することもあるので危険な状態です。
多くは栄養を補給できるようになれば自然と回復していきますが、あまりに鉄分が不足しているときは鉄剤などを投与しながら様子を見ていきます。
まとめ
拒食症になりたいという人に警鐘を鳴らす目的で、拒食症ダイエットがもたらす身体への影響についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
拒食症はダイエットに興味の出てくる10〜20代に多く見られる心の病気で、過度なダイエットでガリガリに痩せてしまいます。
痩せることを目的として安易に拒食症になりたいと思う人が増えていますが、体のあらゆる機能を低下させていきます。
場合によっては命の危険にさらされることもあるので、自分が病気だという自覚を持って早めに治療をしていきましょう。
周りの声をよく聞いて自分は正常な状態ではないのだと認識していくと同時に、安易なダイエットはやめて健康的な食生活を送るようにしてくださいね。
痩せているよりも、健康的な体重の方がとても魅力的に見えますよ!
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