人と話しているときに、ふと訪れる沈黙、微妙な「間(ま)」って、気まずい感じがしますよね。
実はその「間」に対する気まずさを病的なまでに感じてしまう沈黙恐怖症という症状があるのをご存知でしょうか。
これは、一種の社会恐怖感からくる症状です。
この症状は家族や近しい友人などの心を許している相手には出なくても、会社の上司や、同世代の人達の中にいると出てしまうという人がいるようです。
誰でもある程度はその気まずさを感じるものですが、度を超すと人と会うのが嫌になるほどの症状にも発展してしまうようです。
ここでは、沈黙恐怖症を克服することを目的として、まずは原因を明らかにして症状改善を目指す対応策をお伝えします。
目次
会話は途切れさせたら失礼だという固定観念がある
沈黙恐怖症の人は人一倍、沈黙に対して良くない印象を持っているようです。
中には沈黙や「間」が生まれることは、相手にとって失礼に値する、と思っていることがあるようです。
ですから、無理をして会話のラリーを続けようとして空回りをしてしまうなんていうことになり、沈黙がどんどん苦手になるという仕組みですね。
会話を続けられないことは無能なことだという固定観念がある
沈黙恐怖症の人は、会話が上手なことが人間の格を表しているくらいに思っていることがあるようです。
逆の言い方をすると、会話の中に気まずい「間」をつくってしまうことは、無能な人間のやることだ、と思ってしまうようなのです。
この固定観念がある人は、変な意味でのプライドが高いのかもしれません。
コミュニケーションをとるときに肩の力が入りすぎているのでしょう。
沈黙恐怖症は精神疾患の一つ
沈黙恐怖症は、社会恐怖から生まれる精神疾患の一つです。
とはいえ、軽度の症状なら誰でも出てしまうものです。
ただ、病的になってきたら気を付けないといけないかもしれません。
例えば、人と会うのが億劫になる程度ならまだしも、
・会うことを考えると気分が悪くなるから家に引きこもってしまう
・会話で緊張しすぎて動悸や息苦しさに見舞われる
などといった症状が出てきたら、心療内科に行った方がいいかもしれません。
けれども、そこまでではない、恐怖症の傾向を感じる程度の人でしたら、これから下記に述べるような方法で、症状の改善をはかってみることをお勧めします。
改善するための方法とは?
では、沈黙恐怖症を改善するための方法にはどんなものがあるでしょうか。
その方法や考え方をお伝えします。
沈黙をなくすことは不可能だと知ることが大事
会話の中から沈黙を完全に消し去ることはできません。
むしろ、「間」がなかったらその会話って成立しないかもしれません。
だって、常に全力だったら疲れてしまうと思いませんか?
想像するだけで息切れしてしまいますよね。
会話には波がある方がいいのです。
盛り上がった後は休憩の「間」をとり、そしてまただんだんと盛り上がっていく、そしてまた沈黙を置く。
こんな会話だったら、感情のメリハリがあって、内容をしっかり楽しめるのではないでしょうか。
無理をして沈黙を破ろうとして失敗に終わることが多いので、無理をしない。
これが第一です!
どんなことでもそうですが、無理や焦りって、相手に伝わってしまうものです。
会話の中の沈黙や間に耐えられずに無理して話題を探している様子や、焦っている感じ、相手にとってもストレスになってしまうんです。
そしてその気まずい感じがまた沈黙を生み、また無理をして話題を作ろうとする、その悪循環が、沈黙の恐怖を増大させているというわけです。
沈黙の中にメリットがあることを知る、メリットを見つける
沈黙恐怖症の人は、沈黙が悪だと思うところがあるから、苦手意識を持ってしまうのです。
だったら、沈黙の中にメリットを見つけてみたらいかがでしょうか。
沈黙には少なくとも二つのメリットがあります。
一つ目は、「相手の本音を引き出すチャンスを作る」ことです。
沈黙している間に、相手がじっくり考えるようになります。
すると、テンポの良い会話の中では言い出しにくかった本音をぽろりと話し始めるきっかけが生まれたりするのです。
二つ目は、「説得力のある話ができる」ことです。
沈黙の後に発する言葉に重みをもたせることができる、ということです。
ラリーが続く会話には軽い印象を持ちます。
テンポを遅くして、途中休憩をした上で発する言葉には深い意味がこもっている感じがしませんか。
メリットは他にもあるでしょう。
是非探してみてください。
以上、沈黙恐怖症の克服方法について述べてきましたがいかがでしたでしょうか?
まずは、会話の中に生まれる沈黙を受け入れることから始めてみてください。
無理に沈黙を破ろうとすることをやめてみるのです。
実は、考え方ひとつなのです。
沈黙は、会話の中の休憩時間だと捉えて、敢えて話さない選択をしてみたらどうでしょうか。
今までストレスでしかなかった「間」が、休憩時間だと捉えることは逆転の発想ですよね。
おしゃべりして疲れた喉をコーヒーやお水で潤してあげましょう。
するといつの間にか、自然に次の話題が誰からともなく生まれるかもしれません。
そうはいっても、どうしても沈黙がつらい、耐えられない、という人は、沈黙が苦じゃない相手と一緒にいることをおすすめします。
家族や友人の中に一人か二人くらい、そういう相手がいませんか?
もし、一人もいないという人は、そういう人と出会うことを目的にしたらいいでしょう。
それまで、会話が苦痛でしかなかったのが、目的を持ったことによって楽になる可能性があります。
いざ、この人といると沈黙が心地良い、と思える相手に出会えたら、幸福感でいっぱいになるはずです。
一人きりで引きこもらずに、沈黙の中に身を投じてみてください。
でも無理は禁物ですから、できそうなときにトライするのがいいでしょう。
コメントを残す