夏の暑い時期は水分の摂取をよく言われますよね。
水分を取らないと熱中症になるなどと言われますが、普段からあまり水分を取っていないと言う方も意外と多いはずです。
水分を取らないと身体にはどんな影響があるのか。
また、水分をたくさん摂りすぎるとお手洗いが忙しくなったり、色々と悪影響もありますが、摂りすぎてもいけないものなのでしょうか。
この記事では水分摂取について紹介します。
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水分の体での役割は何?
身体の60〜70%は水でできているとよく言われますが、身体に大量に存在する水の働きは何なのでしょうか。
身体の中の水のうち、2/3は細胞の中にあり、1/3は血液などとして細胞外に存在しています。
それぞれ細胞の外、中で役割が違います。
●細胞の外の水:身体中に必要な栄養などを運んだり、逆に身体中から老廃物を運搬してくる役割を持っています。
●細胞の中の水:細胞の中で起こっている生命維持に必要な酵素反応の場を提供したり、反応に直接かかわったりします。また、細胞が熱や毒性のある物質などにさらされたときにその衝撃を和らげる働きをしています。
また、身体全体の体温が上がりすぎたときにも汗をかくことで体温を下げるという働きをしています。
そのため、水分は身体にとってとても大事であるということが言えます。
どうやって水分量は調節されているの?
身体の水分量は様々な方法によりちょうどいいバランスでコントロールされています。
身体から出て行く水分としては、常に微量の汗をかくことで出ていく不感蒸泄として500mLほどです。
それにおしっことして排泄される量、運動などでさらに汗をかくことで出ていく量のこれらの合計が毎日出ていきます。
水分が出て行くことで血液の浸透圧が高まると、これに私たちの脳の渇中枢という部分が反応し喉の渇きを訴えかけてきます。
これにより私たちは「喉が渇いたな」という気持ちが生じ水分を摂取します。
年を取ってくると、この渇中枢の働きが鈍くなり喉の渇きに鈍感になります。
そのため高齢者では体の水分量は平均して50%ほどであり、常に軽度脱水の状態になっています。
ニュースなどで喉が渇いたと感じなくても定期的に水分を摂取するように進めるのはこのためです。
また、元から水分が少なくなっているために高齢者は熱の変化などに弱く、熱中症になりやすいということも納得できます。
身体から出て行く水の大部分は尿なので、尿の量をコントロールするシステムも身体の中にはいくつかあります。
尿は血液中の水分が腎臓で濾過されることで作られますが、濾過された後に水分を再吸収することで尿の量をコントロールしています。
その方法としては2つあり、一つが副腎という部分から分泌される鉱質コルチコイドと呼ばれるホルモンを使う方法で、もう一つが脳の下垂体から分泌されるバソプレシンというホルモンを使う方法です。
鉱質コルチコイドはナトリウムを吸収することで浸透圧のバランスを変え尿の中の水分を身体の中に再吸収します。
バソプレシンは水チャネルと呼ばれる水の通り道となるトンネルのようなものを細胞の表面にたくさん作ることで水を身体の中に再吸収します。
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水を飲まないとどんなことが起こる?飲み過ぎてもいけないの?
水分は身体中の細胞の働きになくてはならないものなので、不足すると様々な問題が起こってきます。
水分が不足すると血液の量が減少してしまうため、脳に回る血液の量が不足し様々な症状を起こします。
集中力の低下や頭痛、最悪の場合意識を失ってしまうなどの症状として現れたり、身体に回る血液の量が不足すると全身の倦怠感や食欲不振といった症状が現れてきます。
また、脱水になると細胞内の水分も減少するため細胞内の電解質のバランスがおかしくなったり細胞の働きがおかしくなったりしてしまいます。
そのため、足がつったりしびれたりという症状が現れたり、急に体が脱力したりという症状が現れたりします。
また、水分が少なくなると汗によって体温をコントロールするという機能も失われてしまうため熱中症になりやすいということも起こってきます。
そうすると体温を酵素の働きに最適な温度である36〜37℃に保つことができなくなりぐんぐんと上昇し身体中の細胞は働くことができなくなってしまいます。
すると、身体中の臓器が機能を停止してしまう多臓器不全という状態に落ちいってしまい死に至ってしまいます。
しかし、逆に水分を摂りすぎても問題が出てきます。
とは言っても、日常生活で少し飲み過ぎたくらいではトイレが近くなったりお腹がゆるくなったりするだけで、体の外に水分の排出を増やすことで乗り切ることができます。
問題なのは数リットル単位で水を飲み過ぎた場合です。
アメリカでは実際に水飲み大会に出場して水を7リットルも飲んだ女性が病院に運ばれ亡くなったという事件がありました。
これは、水を大量に飲むことで電解質のバランスが崩れナトリウムの量が少なくなることで浸透圧によるダメージが脳に起こったためだと考えられています。
また、ここまで極端なケースでなかったとしても、問題なのは腎不全で水分バランスのコントロールが崩れている場合や、心不全の場合です。
水分摂取量が増えることで心臓にかかる負荷が増え、急に症状が悪化してしまうこともあるので持病がある方は水分の取りすぎにも注意する必要があります。
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