精神的なストレスなどから呼吸が荒くなることは誰でも経験したことがあると思います。
中でも、特にストレスに過敏な人などは病的に呼吸が荒くなってしまう過呼吸という症状が出てしまうことがあります。
自分がなった場合もそうですが、友人や家族などのいきなりか過呼吸になった場合はびっくりしますし、対処法に焦ってしまいます。
この記事では過呼吸の原因、症状、止め方について紹介します。
目次
過呼吸ってどんな症状?別に苦しくない?
過呼吸は医学的には過換気症候群と呼ばれますが、その名前の通り呼吸が荒くなり回数が多くなることで様々な症状が出てくる病気のことです。
過呼吸の一番目立つ症状は、呼吸が荒くなることです。
呼吸は自分で意識して息を吸ったり吐いたりするだけではなく、肺や脳にある呼吸を司る部位が勝手に行ってくれるため意識せずに自然に呼吸ができるようにコントロールされています。
ところが、過呼吸の症状に襲われているときにはこれらの部位が誤って働いてしまいます。
そのため、過呼吸になってしまい息苦しさを覚えてもそれを自分自身でコントロールすることができずパニックに陥ってしまいます。
また、過呼吸により体の中の二酸化炭素が過剰に出て行ってしまうと血液のバランスが崩れアルカリ性に偏ってしまいます。
そうすると全身の反応がおかしくなってしまい、特に頭では強い影響が出て頭痛、吐き気などが出てしまい、時には失神してしまうこともあります。
このように本人にとっては辛い症状が突然出てしまいますが、過呼吸が原因で死に至ることはほとんどありません。
呼吸が荒くなり苦しくなったことは誰しも運動の後などに経験したことがあるので、これが過呼吸の辛いところです。
その辛さは他人には伝わりづらく、周囲の反応も次第に冷ややかになりときに迷惑がられることすらあります。
過呼吸の最中には、本人は死んでしまうかもしれないという恐怖を感じるくらい辛い症状に襲われていることを周囲の人は理解してあげましょう。
どうして過呼吸が起こってしまうの?
過呼吸が起こる正確なメカニズムなどは分かっていないのですが、過呼吸は精神的なストレスが原因になっていると言われています。
泣いている最中などに過呼吸発作を起こしてしまうのが代表的です。
これは泣いたりすることで精神的に高ぶっている中で呼吸が乱れ始めることで、呼吸中枢への刺激がおかしくなることで起こるのではという風に言われています。
明らかな精神的なストレスがある場合にはまだいいのですが、中には精神的なストレスが見えにくい場合があります。
特に一度過呼吸を起こしたことがある人などは、例えば静かで人がたくさんいるところに行ったときにふと「もしここでこの間みたいに過呼吸が起こったらどうしよう」などと考えたりすると、それが精神的なストレスになり実際に過呼吸を起こしてしまうことがよくあります。
これは予期不安と呼ばれるのですが、このような場合は周りの人から理解を得るのが難しかったり、本人自身が気に病んでしまい家の外に出ることが不可能になってしまったりということが起こってしまいます。
また、泣いたりというような精神的なストレスだけではなく、激しい運動をして呼吸が荒くなったことが原因で病的な過呼吸に陥ってしまう人もいます。
過呼吸はどうやって止める?紙袋は絶対ダメ!
過呼吸を止める方法ですが、有名なものは紙袋を口元につけて吸ったり吐いたりするというものがあります。
過呼吸で二酸化炭素が少なくなりすぎるのが症状の原因の一つなので、紙袋に息を吐いてそれを改めて吸い治すことで二酸化炭素を減らさないようにしようという考え方はとても理にかなっているように思えます。
これは実は誤った応急処置であることが最近分かっています。
かえって過呼吸を悪化させてしまったり、紙袋での呼吸を長時間行った結果として体の酸素の量が減ってしまい死亡してしまったという例もあります。
ですので、紙袋を使うのは絶対にやめましょう。
現在推奨されている応急処置は息をゆっくり吐くように意識を向けさせることです。
過呼吸のときはパニックになっているので難しいですが、呼吸は本来ある程度は自分の意識でもコントロールすることが可能であり、落ち着かせて呼吸をコントロールするのを助けてあげましょう。
声をかけながら横で一緒にゆっくり呼吸をしてあげて、息を吐く時間が大体10秒前後になるようにサポートしてあげます。
呼吸に合わせて背中をさすってあげたりするのも効果的です。
本人としては、まずは落ち着いて、腹式呼吸をすることに集中することで症状を和らげることができます。
また、過呼吸はパニック障害、うつ病、強迫神経症などの精神病で起こりやすいことが知られています。
過呼吸で悩んでいる方は、しっかりと治療するには病院を受診しカウンセリングを受けたりすると良いでしょう。
治療には薬をサポートに使うことも多いですが、例えば予期不安で過呼吸になるという方の場合には薬を使って街中に出て、不安なところでも過呼吸が起こらないことを体験することが治療につながることなどもあります。
薬に頼らない治療法や、薬をサポートとして使うだけの治療法なども今ではあるので、まずは相談してみることが大切です。
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